• 11月 3, 2025

クリニックの成り立ちと、科学的根拠に基づく医療のかたち

―「透析になるのが心配」という不安に、確かなエビデンスで応えるために―


1. 開院の背景 ―「腎臓を守る医療」を地域の中で

九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニックは、2024年1月に世田谷・九品仏の地で開院しました。
大学病院や基幹病院で腎疾患の診療に長年携わってきた院長・宮本研が、
「腎臓病の早期発見と進行抑制を地域で実践できる医療体制をつくりたい」という思いから設立したクリニックです。

院長はこれまで、急性期病院での集中治療・緊急透析、大学病院での難治性腎疾患管理、療養型病院での入院透析や看取り、そして外来透析クリニックでの長期維持透析など、
腎臓病と透析医療のあらゆるステージに関わってきました。
その経験を通じて、「透析医療は決して否定すべきものではなく、必要なときに正しく選択されるべき医療である」との信念を持っています。

現在も院長は他院において透析診療に継続的に携わっており
導入期・維持期・終末期に至るまでの幅広い臨床経験を活かしながら、
当院では“透析を避けること”と“透析を正しく理解して選択すること”の双方を支援しています。


2. 「透析になるのが心配」という患者さんのために

当院には、「健診でeGFRが下がっている」「蛋白尿を指摘された」「透析になるのが怖い」という理由で受診される方が多数いらっしゃいます。
こうした患者さんの不安に対して、当院では科学的根拠(エビデンス)に基づいた診療方針と、長期的なフォローアップ体制で応えています。

腎機能低下の進行抑制に有効とされる主要な要素は以下のとおりです:

  • 血圧管理(目標130/80 mmHg未満)【5,6】
  • レニン・アンジオテンシン系阻害薬(ARB/ACE阻害薬)の使用【7】
  • SGLT2阻害薬による腎保護効果【8–10】
  • 減塩(食塩摂取量6g/日未満)【11,12】
  • 体重管理・運動療法の併用【13】

これらはKDIGO(Kidney Disease: Improving Global Outcomes)2024ガイドラインにも明確に示されています。
当院では、これらのエビデンスをもとに個々の病態に合わせた治療を設計し、定期的な尿検査・血液検査・腎臓超音波を組み合わせて腎機能の推移をモニタリングしています。

開院から2年弱の間に、透析を防ぐ目的で定期通院されているCKD患者さんが数百名規模にのぼり
透析導入を先延ばしにすることができた症例も増えています。
「病気とともに生きる」のではなく、「病気を理解してコントロールする」医療を地域で実践しています。


3. 透析医療との向き合い方 ― 否定ではなく、理解と選択を

透析は生命を維持するための重要な治療法であり、
院長自身もこれまで多くの患者さんの透析導入・維持・看取りに携わってきました。

しかし透析には、心血管イベント・感染症・フレイル・認知機能低下・低血圧・貧血・骨代謝異常など、
多くの合併症や生活上の制約を伴います【1–4,15–17】。
そのため、院長は「可能であれば透析を受けずに生涯を走りきる」ことを目標に、
腎機能の温存と合併症予防を重視した治療を推奨しています。

一方で、透析が必要な段階に至った場合には、それを否定せず、
患者さんとご家族が納得して選択できるよう、十分な説明と意思決定支援を行います。
このように当院では、「透析を避ける医療」と「透析を正しく選ぶ医療」の両立を目指しています。


4. 「かかりつけ腎臓医」という新しい概念

当院が大切にしているのは、「腎臓主治医(かかりつけ腎臓医)」という考え方です。
腎臓病は、糖尿病・高血圧・脂質異常症・高尿酸血症などの生活習慣病と深く関係しており、
腎臓の数値だけを追うのではなく、全身の代謝・血管リスクを包括的に管理する必要があります。

SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬による腎心連関(cardiorenal continuum)の改善【8–10,14】、
スタチンによる動脈硬化抑制【15,16】、高尿酸血症治療による腎保護【17】など、
最新のエビデンスを取り入れながら、腎臓を起点に全身の健康を守る包括的治療を行っています。

さらに当院では、「腎臓内科を2箇所目のかかりつけ医として持つ」ことを推奨しています。
すでに他院で生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)の治療を受けている方でも、
腎機能の変化や薬の影響、合併症(心血管疾患・動脈硬化・貧血・電解質異常など)について、腎臓専門医に相談できる体制を整えています。

つまり、内科主治医+腎臓内科の二重体制により、
よりきめ細やかで科学的なCKD管理と合併症予防が可能になります。


5. 科学的根拠に基づく情報発信

医療は「科学」と「信頼」で成り立っています。
当院では、国内外の最新研究を踏まえて診療方針を更新し、
その内容をブログや院内資料でわかりやすく紹介しています。

腎臓病は生活習慣の積み重ねと密接に関係しており、
減塩・体重管理・禁煙・運動などの自己管理が腎機能維持に大きく影響します【18】。
そのため、単に薬を処方するだけではなく、
患者さん自身が病気のメカニズムを理解し、生活を主体的に整えていくための“教育的サポート”を重視しています。

科学的根拠をもとにした説明と、患者さんの納得に基づく治療方針――
それが当院が掲げる「エビデンスと信頼の両立」です。


6. チーム医療と地域連携

腎疾患の進行を抑えるには、医師だけでなく多職種の協力が欠かせません。
当院では、医師・看護師・医療事務・管理栄養士が連携し、
検査データの推移を共有しながら、血圧・体重・尿所見などを継続的にモニタリングしています。

また、腎機能が急激に悪化したり、専門的検査・入院が必要な場合には、
連携する基幹病院や大学病院への迅速な紹介を行っています。
これにより、地域のクリニックで初期管理から専門治療への橋渡しまでを一貫して行える体制を整えています。

さらに、当院は玉川医師会の会員として、地域医療体制の一翼を担っています。
診療所として、医師会が運営する当番医制度・休日輪番診療にも参加し、
地域の皆さまが休日や夜間も安心して受診できる医療体制の維持に貢献しています。
「地域で支える医療」「切れ目のない医療」を実践することも、当院の大切な使命のひとつです。


7. 今後の展望 ―「透析を防ぐ」から「生活を守る」医療へ

腎臓病治療の最終目標は、透析導入を避けるだけではありません。
腎臓を守ることは、生活の質(Quality of Life)を守ることでもあります。
そのため当院では、血圧・脂質・糖代謝などの全身リスクを総合的に評価し、
患者さんが安心して長く生活を続けられる医療を提供しています。

「地域の中で、科学的に正しい腎臓病診療を継続できる場所」――
それが当院の目指す方向性です。


まとめ

九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニックは、
「透析を防ぎ、腎臓を守る」ことを中心に、
科学的根拠に基づいた診療と、患者さんに寄り添う地域医療を実践しています。

腎臓病の不安を抱える方にこそ、
「正しい知識と治療によって、未来を変えられる」という希望を届けたい――
私たちは、その思いを胸に日々の診療に臨んでいます。


参考文献

  1. Imai E, et al. Kidney Int. 2008;74(4):485–491.
  2. Levin A, et al. Kidney Int Suppl. 2013;3(1):1–150.
  3. Jha V, et al. Lancet. 2013;382(9888):260–272.
  4. KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of CKD. Kidney Int. 2024.
  5. Bakris GL, et al. Hypertension. 2021;77(4):1025–1037.
  6. Whelton PK, et al. JAMA. 2018;320(17):1774–1792.
  7. Lewis EJ, et al. N Engl J Med. 1993;329:1456–1462.
  8. Perkovic V, et al. N Engl J Med. 2019;380:2295–2306. (CREDENCE trial)
  9. Heerspink HJL, et al. N Engl J Med. 2020;383:1436–1446. (DAPA-CKD trial)
  10. Herrington WG, et al. N Engl J Med. 2023;388:603–614. (EMPA-KIDNEY trial)
  11. McMahon EJ, et al. J Ren Nutr. 2015;25(4):381–387.
  12. Mills KT, et al. Circulation. 2016;133(6):639–646.
  13. Greenwood SA, et al. Am J Kidney Dis. 2015;65(3):425–434.
  14. Zelniker TA, et al. Lancet. 2019;393(10166):31–39.
  15. Tonelli M, et al. J Am Soc Nephrol. 2004;15:2858–2868.
  16. Baigent C, et al. Lancet. 2011;377(9784):2181–2192. (SHARP trial)
  17. Kojima S, et al. Am J Kidney Dis. 2021;77(6):947–957.
  18. Finkelstein FO, et al. Clin J Am Soc Nephrol. 2021;16(3):507–515.
  19. Hoshino J, et al. Kidney Int Rep. 2023;8(5):1035–1046.
  20. Agarwal R, et al. N Engl J Med. 2022;387(23):2113–2124. (FIGARO-DKD)

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