- 10月 18, 2024
CKD(慢性腎臓病)の少し昔話
当院では、CKD(Chronic Kidney Disease )=慢性腎臓病の検査や診断を行っています。
毎日、「CKDとはこういう定義で」「腎臓の負担を減らすには」と言った説明を外来で行っています。
院長が腎臓内科医になったのは2003年ですが、その当時はCKDとは呼ばず「慢性腎不全」を用いていました。
いつから皆がCKDと呼ぶようになったか、院長が大学病院で行ったセミナー資料を読み返すと…。
2007年には、CKDの呼称を用いていたことが分かります。
こちらは腎臓・高血圧内科に通院中の患者さん・ご家族向けに、院内セミナーを担当したときのスライドです。
2004年以降、「しーけーでぃー」は当初、日本ではあまり普及せず、しばらく「じんふぜん」と呼ぶ時期が続いたと記憶しています。
驚くのは17年前の段階で、すでに現在と変わらないレベルで色々な研究や評価が進み、心臓や脳の合併症リスクについても指摘されていたことです。
「腎臓機能が弱る」=「心臓病のリスクも増える」のを、”心腎連関”と呼びます。
腎臓を保護する薬剤は、最近のSGLT−2阻害薬(フォシーガ、ジャディアンス)まで徐々に増えていますが、腎臓をできるだけ”いたわる”方向性は変わっていません。
当院のように、内科診療所と腎臓専門医を兼ねている場合は、”CKDを最初に相談しやすい外来”としての役割を持つと思います。
ずいぶん昔ですが、紹介状に1行だけ「腎臓が悪くなったので、透析を宜しくお願いします」と書いてあったことが実際にありました。
それを持参された患者さんが、腎臓機能がすでに悪化している事実を伝えられて、とても戸惑っていたのが忘れられません。
透析専門医として血液浄化療法を長らく診療もしてきたので、「透析は決して簡単な治療ではない」と断言できます。
ぜひ、腎機能低下を指摘された場合は、早めに腎臓内科を受診されると良いと思います。