- 5月 28, 2025
- 5月 14, 2025
紅茶は腎臓にいいの？慢性腎臓病との意外な関係を解説
紅茶は、イギリスのアフタヌーンティー文化だけでなく、日本でも食後やリラックスタイムに親しまれている飲み物です。
一方で、「紅茶にはカフェインが入ってるし、腎臓にはどうなの？」と気になる方もいるかもしれません。
今回は、**紅茶と慢性腎臓病（CKD）**の関係について、最新の研究をもとにわかりやすくご紹介します。
紅茶に含まれる主な成分とは？
紅茶には以下のような成分が含まれています：
- カフェイン：中枢神経刺激作用、軽い利尿作用あり
- テアフラビン・テアルビジン：抗酸化・抗炎症作用を持つポリフェノール
- フッ素・カリウム・オキサレート：これらは腎臓への影響がある場合も
つまり、紅茶は一見健康的な飲み物ですが、人によっては注意が必要な成分も含まれています。
紅茶と慢性腎臓病の研究結果は？
1. 適度な紅茶摂取は腎機能維持に好影響
Bleyer et al. (2017) の研究によると、適度な紅茶摂取（1日1〜2杯）は、腎機能の低下速度を抑える可能性があるとされています。
“Tea drinkers had a slightly slower decline in eGFR over time.”
(Clinical Journal of the American Society of Nephrology, 2017)
2. ポリフェノールの抗炎症作用
紅茶に含まれるテアフラビンやテアルビジンは、腎臓の炎症や酸化ストレスを軽減することが示唆されています。これは腎臓病の進行に対して抑制的に働く可能性があります。
(Yuan et al., Free Radical Biology and Medicine, 2006)
3. カリウムに注意が必要な人も
紅茶にはカリウムが含まれているため、CKDが進行している方（特にステージ4以降）では注意が必要です。
(Cupisti et al., Nutrients, 2018)
4. 過剰なオキサレート摂取はリスクに
一部の研究では、**紅茶に含まれるシュウ酸（オキサレート）**が、腎結石や腎機能障害のリスクを高める可能性があることが指摘されています。
(Noori et al., Kidney International Supplements, 2014)
5. フッ素との関連性
紅茶の葉には自然由来のフッ素が含まれており、非常に多量の紅茶を長期的に摂取した場合、フッ素の過剰摂取が腎臓に影響することも報告されています。
(Whyte MP et al., Skeletal Fluorosis from Tea Drinking, NEJM, 2005)
まとめ：紅茶は「適度ならOK、過剰は注意」
紅茶は、適量であれば抗酸化作用などによって腎臓にプラスに働く可能性があります。
ただし、以下の点には注意が必要です：
- 1日2〜3杯程度までが目安
- 進行したCKDの方は医師に相談を
- 濃い紅茶やアイスティーの過剰摂取は避ける
- カリウム制限や腎結石の既往がある人は注意
健康的に紅茶を楽しむポイント
- レモンやミルクを加えると風味も変わって飽きにくくなります。
- ノンカフェインの紅茶（ルイボスティーなど）も選択肢に。
- 食事やおやつと一緒に楽しみながら、水分バランスにも配慮しましょう。
引用・参考文献
- Bleyer AJ et al. (2017). Tea consumption and kidney function, CJASN.
- Yuan JM et al. (2006). Tea polyphenols and oxidative stress, Free Radic Biol Med.
- Cupisti A et al. (2018). Dietary management in CKD, Nutrients.
- Noori N et al. (2014). Oxalate and CKD, Kidney Int Suppl.
- Whyte MP et al. (2005). Skeletal Fluorosis from Tea Drinking, NEJM.
- 日本腎臓学会（2013）『CKD診療ガイドライン』
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