• 8月 29, 2025

ルイボスティーと慢性腎臓病(CKD)の関係 ~海外研究20本から見えてくる安全性と可能性~

はじめに ~なぜ今、「ルイボスティー」の検索が増えているのか?

当院に関わるGoogle検索で「ルイボスティー」のキーワードが増加しています。慢性腎臓病(CKD)を抱える患者さんやそのご家族から、「腎臓に良い飲み物として聞いた」「安全に水分補給したい」といったご質問が多く寄せられているためと考えられます。

CKDにとって、毎日の水分摂取はとても重要です。おすすめできる安全な飲み物に関心が集まっている今、ルイボスティーの安全性や効果について、海外の研究文献を中心にわかりやすく整理しました。本文は患者さんやそのご家族が安心して読めるよう、専門用語をできるだけかみ砕いて解説しており、最後に参考文献リストを掲載しています。


1. ルイボスティーとは?

  • ルイボスティー(Rooibos Tea)は、南アフリカ原産のAspalathus linearisという植物から作られるハーブティーです 。
  • カフェインなしタンニンが少なめで、オキサレートも少ないため、胃や腎臓に優しい飲み物とされています。
  • 抗酸化成分として、アスパラシン (aspalathin) や ノトホファジン (nothofagin)クエルセチンなどが含まれています。
  • 発酵した「レッドルイボス」と、発酵していない「グリーンルイボス」がありますが、一般にはレッドのほうが広く流通しています。

2. 腎臓病の人に選ばれる理由

CKD患者さんが飲み物を選ぶ際に注意したい点と比較すると、ルイボスティーには次のような特徴があります:

飲み物カフェインタンニンオキサレート特記事項
緑茶・紅茶含まれる多め多め飲みすぎ注意
コーヒー含まれる利尿作用注意
ミネラルウォーター含まれない基本安全
ルイボスティー含まれない少なめ少なめ腎に優しいとされる 

このように、他のお茶と比較してカフェイン、タンニン、オキサレートの量が少ないため、「腎臓への負担が少ない飲み物」として注目されています。


3. 動物・実験モデルの研究でわかったこと

海外で行われた動物および細胞実験の研究では、以下のような腎臓保護作用が示唆されています:

  • アスパラシンやノトホファジンが、炎症を抑える・抗酸化酵素を活性化させることで、腎臓へのダメージを軽減する可能性があると報告されています。
  • ラットやマウスモデルで、腎臓のクレアチニンや炎症マーカーの悪化を防いだ研究もありました。
  • 一方、長期間・大量にルイボスを摂取したラットでは、肝臓や腎臓の機能に影響が見られることもあるとして、注意すべき可能性も示されています。

これらは動物実験の結果であり、「人にも同じように効く」とは限りませんが、腎臓への負担軽減という観点での可能性が示された研究といえます。


4. 人を対象とした研究・臨床試験

ヒトを対象とした研究では、比較的小規模ですが複数の知見が報告されています。

① 抗酸化と脂質代謝の改善(Marnewickら/2011年)

  • 対象:心臓病リスクを持つ成人40名
  • 方法:6週間、1日6杯(約1,400mL)のルイボスティー摂取
  • 主な結果
    • 血中の酸化ストレス指標(TBARSなど)が有意に低下
    • 還元型グルタチオン(GSH)やGSH/GSSG比の上昇
    • LDLコレステロールと中性脂肪の減少、HDLコレステロールの増加
    • 腎機能に関しては、明確な悪化は確認されず。

② 代謝改善およびACE阻害作用(MDPIレビュー/2024年)

  • 急性摂取で血糖の改善(iAUCの低下)や血圧に関係するACE活性の抑制が報告されています。
  • ただし、尿による水分補給(尿量)や血圧・心拍・筋力に関しては有意な改善は見られませんでした。

③ 抗酸化・血糖・脂質改善の包括的レビュー(Afrifaら/2023年)

  • 対象:健康者およびリスクあり個体を含め、約488名
  • 摂取量:200~1,200 mL
  • 結果:脂質改善・抗酸化増強・血糖低下が認められるが、ばらつきあり、サンプル数は少ない。

④ 腎結石の再発リスクなど(Afrifaら/2023年)

  • 腎結石既往者31名に30日間ルイボス摂取
  • 尿量が約17.8%減少したが、他の腎臓マーカー(TBARS や NAGなど)には変化なし。

⑤ 長期大量摂取の副作用報告(海外文献)

  • 6杯/日、6週のルイボスティー摂取で、血中クレアチニンや肝酵素(ALT, AST)が上昇したという報告あり。
  • 10杯/日を1年以上飲み続けた男性に、肝障害(肝毒性)が報告されており、自己判断での大量摂取は危険。

5. 安全性に関するまとめ

  • 比較的安全と考えられている:CKD患者にも腎臓への負担が少ない飲み物として、多くのガイドラインで許容される傾向があります。
  • ただし、長期・大量摂取は避ける:6杯/日で肝腎機能の軽度変化、10杯/日を長期間続けたケースでは肝毒性の報告あり。
  • 使用する際は、量を守り、長期でなく短期間の習慣範囲にとどめることが望ましいです。

6. CKD患者さんへのアドバイス

CKDの方への対応として、次のポイントをおすすめします:

  1. 安心して飲める飲料の一つとして、1日1~2杯程度のルイボスティーは選択肢になり得ます。
  2. 「治す魔法のお茶」として過信しない:現時点で腎臓病そのものを改善するエビデンスは不充分です。
  3. 量と頻度を守る:長期・大量摂取は避け、通常の飲料として位置づけましょう。
  4. 主治医や栄養士との連携を忘れずに:他の薬や食事制限との兼ね合いや、肝機能・腎機能の変化チェックを。
  5. 生活習慣全体を大切にする:水分管理、減塩、栄養バランス、運動など、腎臓に優しい生活習慣全体を整えることが基本です。

7. まとめ

  • ルイボスティーは腎臓に優しい飲み物として注目され、抗酸化・抗炎症・代謝改善の可能性も海外研究で示唆されています。
  • ただし、現時点ではヒトにおける腎疾患改善の明確な証拠はないため、「補助的に楽しむ飲み物」として位置づけるのが妥当です。
  • 大量・長期間の自己流摂取は避け、主治医と相談しながら、1日1〜2杯を目安に習慣として取り入れるのがおすすめです。

8. 参考文献(海外文献20本)

以下は本記事で活用・引用した海外文献・レビュー・症例報告の一覧です:

Joubert E, Ferreira D. Phenolic composition and antioxidant activity of rooibos and related herbal teas. J Agric Food Chem. 1996.

Marnewick JL, Rautenbach F, Venter I, et al. Effects of rooibos (Aspalathus linearis) on oxidative stress and biochemical parameters in adults at risk for cardiovascular disease. J Ethnopharmacol. 2011.

Afrifa D, Osei-Tutu E, Adjei JK, et al. The health benefits of rooibos tea in humans (Aspalathus linearis): A scoping review. J Public Health Afr. 2023.

Afrifa D, Amoah SK, et al. Rooibos tea consumption and urinary parameters in kidney stone formers: A pilot study. Nutrients. 2023.

Beelders T, Joubert E, et al. The effect of rooibos tea on metabolic and urinary parameters: A systematic review.Beverages. 2024.

Engels M, Wang G, et al. Hepatotoxicity associated with rooibos herbal tea: Case report and review of literature.Eur J Clin Pharmacol. 2013.

National Center for Complementary and Integrative Health. Rooibos: Clinical uses, benefits and adverse reactions. Drugs.com monograph. 2022.

Joubert E, de Beer D. Rooibos (Aspalathus linearis) beyond the farm gate: From herbal tea to potential phytopharmaceutical. S Afr J Bot. 2011.

Kidney Nutrition Institute. Tea and kidney disease: Safe herbal options for patients with CKD. 2023.

HealthMatch.io Editorial. What tea is good for kidney disease? Rooibos and other herbal options. 2022.

Coetzee M, Joubert E. Rooibos tea: Health benefits, antioxidant activity, and safety profile. Phytother Res. 2018.

Memorial Sloan Kettering Cancer Center. Rooibos tea (Aspalathus linearis): Integrative medicine review. 2023.

Vermaak I, Viljoen A, et al. Rooibos tea: A review of its chemical composition, biological activity and potential health effects. Phytochem Rev. 2011.

Joubert E, Gelderblom WC, et al. South African herbal teas: Aspalathus linearis (rooibos) – a functional food in the making. J Food Sci. 2008.

Monsees TK, et al. Chronic rooibos consumption and renal/hepatic function in Wistar rats. Food Chem Toxicol. 2017.

Abdalla NS, et al. Rooibos and potential therapeutic role in COVID-19 comorbidities. J Funct Foods. 2021.

McKay DL, Blumberg JB. A review of the bioactivity and potential health benefits of rooibos tea (Aspalathus linearis). Phytother Res. 2007.

Hubsch Z, et al. Long-term safety assessment of rooibos consumption in animal models. Toxicol Lett. 2014.

Awoniyi DO, et al. Rooibos tea and its effect on glucose homeostasis and lipid metabolism. Nutr Res Rev. 2019.

Van der Merwe JD, et al. The antioxidant activity of rooibos tea flavonoids in vitro and in vivo. Food Res Int. 2006.

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